代表質問 開催日:2022年 3月 7日 会議名:2022年第1回定例会(第2日 3月 7日) ○(中村玲子議員) 日本共産党高槻市会議員団を代表して、私、中村玲子から質問をいたします。  初めに、新自由主義の下、国と地方自治体による政治の責任は後景に追いやられ、個人の責任だけが求められる社会になりました。その弊害が、コロナ禍で一層あらわになりました。今こそ、持続可能な高槻市の形成に資する市政を目指すことが求められます。  高槻市はこの1年間、中学校で35人学級を実施する準備をしてきました。コロナ対策では保健師の増員など、保健所の体制強化にも取り組んできました。  また、市民の暮らしと事業者支援のために、商品券の発行や事業者応援給付金などに取り組み、今年1月からは、公共施設のトイレに生理用品を置くことも実施してきました。さらに、新年度から中学校の給食費を無料にすることなど、評価しています。  その一方で、保育所・幼稚園の民営化、事業団が運営してきたデイサービスセンター、ヘルパー派遣の廃止、老人福祉センターの風呂の廃止など実施しました。これは、市民生活にマイナスになりました。  日本共産党は、積極面をさらに前進させるとともに、マイナス面を少なくできるように頑張ります。その際、市長が施政方針で触れた、高槻市を成長させるという内容には、福祉、教育、文化及び都市基盤整備など、全ての分野において、高槻市のさらなる成長を目指すという考え方には、賛同することを申し上げておきます。  質問の第1は、新型コロナ対策、ケアに強い高槻市を目指すことです。  1点目は現状の認識です。  第6波は今までと比べものにならない陽性者数で、死亡者も増えています。オミクロン株は感染力が今までの倍以上あるとされています。大阪府では、亡くなる人が全国で一番多く、医療が逼迫しています。高槻市でも、緊急搬送困難事例は今までになく増えています。  そういう中、大阪府は、急性期病床を昨年度は220床、今年度はそれ以上削減します。せめてコロナ危機の最中はやめるべきですが、知事は削減を進めるとしています。  高槻市でも昨年度は45床減少しています。医療の体制とコロナ対策についての現状の認識についてお答えください。  2点目は、検査体制についてです。  検査を必要とする人が多く、検査キットが不足しています。第6波に向けて、国が検査キットの増産など準備をしてこなかったことが、大きな原因です。国の補助で大阪府の無料の検査所を設置しましたが、人数制限があり、検査キットも少なく、検査はできないと断られる事態が起こっています。  国と大阪府に検査の充実を求め、市としても必要な世帯への検査キットの配布、無料の検査所を設ける考えはないのか、お答えください。  3点目に、保健所の体制についてです。  新型コロナは、日本の医療・福祉・公衆衛生の体制がいかに脆弱なものであったか、浮き彫りにしました。保健所の人員体制の強化はまさに喫緊の課題です。次の感染に備えるため、保健所の体制強化を含めた、公衆衛生体制の抜本的強化が求められます。  旧保健所法では、人口10万人に1か所とされていた保健所の設置が、地域保健法では人口20万人に1か所と後退しました。高槻市は人口35万に対して、保健所は1か所です。第6波での感染は、今までとは全く違う状況です。  保健所の体制について、どれだけの体制強化をしてきたのか、今後はどれだけ強化する考えなのか、お答えください。  4点目は、社会の機能を維持する仕事、エッセンシャルワーカーの重要性についてです。  感染リスクがある中でも社会を維持するために働き続けなくてはいけない仕事、医療や介護、学校などがあります。市の関係では、市の業務、消防、市営バス、学校、保育所、ごみの収集など、ほとんどが社会インフラを維持する仕事です。しかも、現場で働くために、感染のリスクは高くなります。  どういう対策を取られてきたのですか。感染が明らかになった場合の業務を継続する体制はどうするのか、お答えください。  また、新型コロナ対策としての業務が増えています。子どもへの給付金、生活困窮者への給付金や市の独自事業などが、通常業務にプラスされています。  人を増やさないでこなせる業務量なのでしょうか。新たに人を増やして対応するという考えはないのでしょうか、お答えください。  さらに、感染拡大を受けて、保健所に対して全庁挙げて応援体制を取っていますが、年度末と重なり、業務が継続できなくなるのではないですか、お答えください。  5点目です。  学校での休校や保育所、認定こども園での休園が相次ぎました。厚生労働省は代替保育への財政支援をするとしました。エッセンシャルワーカーなど休めない保護者がいます。  必要な保育を保障する体制を整えるべきではないでしょうか。市の対応をお聞きします。  第2の柱は、環境についてです。  1点目は、気候危機への対応です。  人間の影響が温暖化をさせてきたことは、疑う余地がない状況で、このままでは2050年には後戻りできない状況になりかねません。2030年までにCO2の排出量を実質ゼロに向けて削減に取り組めば、被害を抑えられます。  昨年10月に国の地球温暖化対策計画で、温室効果ガスを2030年度に、2013年度から46%削減することが位置づけられました。高槻市では、昨年3月に、2030年度までに2013年度比で30%削減することを目標としましたが、これでは不十分です。世界から見ても日本は遅れています。その国の目標より少ない目標を掲げることは、問題です。  施政方針で、気候非常事態宣言を発出するとされています。この点からも、市の温室効果ガス削減目標を大きく引き上げることが必要です。さらには、2050年には、温室効果ガスをゼロにすることを前提にした目標にする必要があります。市の見解をお聞きします。  2点目は、再生可能エネルギーを増やすことです。  市としてもできる努力が求められます。石炭火力発電を廃止するためには、再生可能エネルギーに切り替えることが必要です。市民団体やNPOなどが、風力やバイオマス、太陽光などを利用した発電に取り組むための支援が必要です。市民が発電事業に参加できるようにする必要もあります。市の見解を求めます。  3点目に、食品ロスの取組です。  まだ食べられる食品が大量に捨てられています。不公平な社会を象徴する食品ロスは、気候変動にも影響を与えています。世界の温室効果ガスに占める割合は、8〜10%にもなります。高槻市では、一般廃棄物処理基本計画の中に組み込まれています。  その後、国の食品ロス削減推進法が制定されています。市はどういう取組をしてきたのですか。今後の取組について、考えていることをお聞きします。  食品ロスをなくすポスターなど作成し、お店に貼ってもらうことや、飲食店で食べ残しを出さない取組に協力してもらうなど、働きかけることも大事です。市の答弁を求めます。  第3の柱は、住み続けられる高槻市についてです。  1点目は、災害に強いまちにすることです。  施政方針の中で、広域避難が必要になる淀川の氾濫に備えるため、公助力を強化するとしています。個人で避難するには無理な状況にある人もいます。淀川に近い住宅街の方は、高い建物がなく、逃げる場所がないと大変心配されています。千年に一度の水害になれば、多くの地域が浸水し、どう避難するのかは課題です。市営バスの利用などと併せて、早めの避難が大事になると考えます。  避難世帯、避難場所の想定はされているのでしょうか、お聞きします。  芥川のJR鉄橋のところは、百年に一度の水害に対応できているのですか。現状はどういう対策を大阪府はしているのか、お答えください。  2点目は、市営バス路線の維持についてです。  コロナ禍で、大手鉄道事業者でさえ深刻な影響を受けています。全国の地域公共交通は、コロナ以前から8割以上が赤字運営でした。地域公共交通総合研究所の調査では、6割を超える事業者が、コロナの影響で利用者が減少しており、94%の事業者が公的支援を求めています。島本町では路線がある民間バスから支援を求められ、補助をしています。市は市営バスに対して、コロナの影響への補助をする考えはないのか、お聞きします。  基本的人権は移動の自由が保障されなければいけません。市営バスは、高槻のまちが成り立つ柱の一つです。バス路線の見直しは、これに逆行するものです。  施政方針には、今後の地域公共交通の在り方を示す計画の策定に向け、引き続き取り組むとあります。今後の在り方の計画とはどういうものなのか、市民生活を維持させる方向で取り組まれるのか、見解を求めます。  市営バス経営戦略では、柱本・三島江線は距離によって運賃が違う、対キロ区間制運賃、また、ゾーン方式の導入も検討がされています。運賃が高くなり、ゾーン制で目的地に行くのも時間がかかるようになります。利用者の利便性について、どう考えているのか、お答えください。  3点目に、商業の活性化についてです。  コロナの影響で営業が続けられなくなっている事業者があります。お店を閉めているところもあります。国は、新たにコロナの影響を受けている事業者に対して、事業復活支援金を出しています。持続化給付金、月次支援金に続くものです。  高槻市でも新年度、事業者を直接応援することが必要ではないですか。事業を継続できるように、事業者応援給付金を給付することが求められます。市の答弁を求めます。  4点目は、高槻市の魅力を生かしたまちづくりについてです。  施政方針では、まちづくりの3本の柱を示しました。高槻には多くの自然があり、北を見れば山があります。しかし、市街地に残っていた農地が開発され、空間や緑が減少し、調整区域でも開発が進み、農地が減少しています。山と川があり、市街地に公園などの空間があることは、住み続けることや子育てにとっても良好な環境です。  JR、阪急と鉄道があり、市内24路線を持つ市営バスがあり、夜遅くまで走っていることは大きな魅力です。自然や住環境を守るために、市はこれまで、林道管理条例や地区計画での高さ制限など、いろんな規制をしてきました。  市の魅力、今後守らなければいけない環境など、どう考えているのか、お答えください。  第4の柱、誰もが大切にされる高槻市にすることです。  人種や性別、能力、出身地によって差別されない、誰もが人として尊重されることが大事です。しかし、女性への暴力、子どもへの虐待などが増えています。女性や子どもへの暴力は許さないという取組が必要です。市の考えをお聞きします。  2点目は、ジェンダー平等への取組です。  社会の半分を占める女性の力を発揮させないことは、社会にとって大変な損失です。賃金格差の是正をはじめ、あらゆる面でのジェンダー平等を進めてこそ、結果として社会は住みよくなり、経済も発展します。  日本の経済成長が止まった理由の一つは、ジェンダー平等の遅れがあります。市としても、政策や方針の決定への女性の参加、女性管理職、審議会の女性委員の割合を増やすことが求められます。現在の人数と、今後増やす計画があるのか、お答えください。  3点目に、性犯罪をなくす取組です。  国連総会で採択された女性に対する暴力撤廃宣言は、女性を男性に比べて従属的な地位に追いやるための社会的な仕組みとして、最も決定的なものの一つだとしました。レイプやDV、セクシュアルハラスメントなどの女性に対する暴力は、単なる個人間のけんかやトラブルという問題ではなく、ジェンダー不平等の社会の構造に、その根源があります。だからこそ、政治が女性に対する暴力の根絶を政策目標として、真剣に取り組む必要があります。  また、痴漢は性犯罪であることを明確にし、被害者の多さ、被害の深刻さを社会の常識にすることです。女性や子どもにとって、最も身近な性暴力が痴漢です。しかも、ほとんどの女性が被害に遭い、その後の人生に深刻な打撃を受けながら、被害を訴えることもできない実態があります。痴漢を軽い問題として、女性の尊厳を軽んじる社会的風潮を広げてきました。  高槻市で痴漢ゼロを掲げ、啓発活動に力を入れることを求めます。ポスターを市営バスなどに貼り出し、中学校でチラシを配布するなど、取り組むことが大事です。市の答弁を求めます。  市政への提案、コロナ禍で明らかになった問題点など指摘してきました。日本共産党は国民の命を守ることに、政治が責任を持たなくてはいけないと考えています。  高槻市においても、保健所の充実や住民サービスの継続など必要です。市の財政状況は、新年度の施策を実施しても、年度末で財政調整基金は107億円の残高がある予算です。  コロナ対策として、今後も市民サービスを充実させることが可能な状況だと考えます。市の見解をお聞きして、日本共産党高槻市会議員団の代表質問を終わります。 ○市長(濱田剛史) 日本共産党高槻市会議員団代表 中村玲子議員の代表質問につきまして、ご答弁を申し上げます。  新型コロナウイルス感染症対策と医療体制についてですが、将来の医療需要を踏まえた医療体制の構築を目指す地域医療構想において、医療機関の病床数については、各地域で調整することとされています。本市を含めた三島二次医療圏においては、病院の再編・統合の必要はなく、現状の病床数を維持しつつ、病床機能の分化や診療機能の集約について検討を進めることとなっています。  令和2年度の圏域内における病床数の減少については、当該医療機関の事情により、非稼働病床を廃止されたものです。本市においては、大阪府と連携の上、三島二次医療圏の関係者間で丁寧に協議を進め、望ましい医療体制が維持できるよう努めてまいります。なお、新型コロナウイルスの感染拡大時の短期的な医療需要には、大阪府が策定する病床確保計画に基づき、機動的に対応することとされています。本市としても、新型コロナウイルス感染症対策の独自施策として、市民の入院患者を受け入れている市内医療機関への支援に取り組むなど、引き続き地域医療体制の確保を図ってまいります。  検査体制に関するお尋ねですが、現在、大阪府ではオミクロン株の感染急拡大や特徴を踏まえ、診療・検査体制を重点化し、医療機関は有症状者を、保健所は重症化リスクの高い高齢者施設等を、それぞれ優先して検査を実施しているところです。また、無症状で感染不安のある大阪府民を対象とした、感染拡大傾向時の一般検査事業ですが、昨年12月24日に、市内3か所の薬局でスタートし、本年3月1日時点の大阪府の公表では、市内20か所の薬局で実施するなど、検査環境は拡充してきています。さらに本市においては、重症化リスクの高い方が利用する高齢者施設等の従事者を対象とした抗原検査キットによる集中的検査については、継続して実施しています。  今後も国の動向を注視し、大阪府検査体制整備計画に基づき、医師会等の関係機関と連携して、検査体制の充実に取り組んでまいります。  保健所の体制についてですが、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大に伴い、保健所の通常業務を縮小、延期するとともに、国や大阪府の方針に基づき、保健所の調査対象を重症化リスクの高い方や施設に重点化して、対応に当たっています。  保健所の人員については、感染者の急増やそれに付随して増加する事務作業に対応するため、休日や勤務時間外も含めて、全庁的な応援体制により、保健師や事務職員を確保し、体制強化に取り組んでいます。  今後についても、新型コロナウイルス感染症の長期化や、新たな健康危機管理事象への対応に備え、保健師等の専門職の全庁的な応援体制を継続するとともに、令和4年度当初に保健師を採用するなど、職員体制の強化を図っています。また、今後の保健所の体制強化については、国や大阪府の動向を注視し、引き続き体制の整備に努めてまいります。  エッセンシャルワーカーに関するお尋ねですが、本市は行政機関として業務継続を図る必要があり、庁内の医師や保健師の専門的な知見を共有しながら、職員の的確な感染対策に取り組むとともに、職員の陽性等が判明した場合においても、感染リスクを速やかに判断し対応を図るなど、業務に与える影響を最小化してきたところです。  次に、庁内の業務量の増加に対応するため、新型コロナウイルスの感染拡大以降、災害対応に準ずる形で全庁での応援を行い、庁内の人材を最大限活用してきたところです。また、コールセンター業務など多くの人員が必要な業務については、人材派遣の活用なども行ってまいりました。  こうした様々な工夫を行うことで、通常業務を行いつつ、コロナ禍における業務繁忙にも適切に対応しているところです。  代替保育に関するお尋ねですが、今般のオミクロン株による感染急拡大により、保健所等においても児童や職員の感染者数が増加しており、それに伴い、臨時休園する保育所等が増加している状況にあります。  このため、保育所等が休園となった場合の代替保育の受皿の確保に向けて、国の財政支援特例措置が講じられたところですが、受皿の確保には一定の課題があると認識しています。  本市においては、臨時休園となった施設に通われている児童の保護者で、仕事を休むことが難しい方については、高槻認定こども園の休日・一時預かり保育室を利用いただくことで、一定の受皿としての機能を確保しているところです。  保育所等の果たす社会的機能の維持を図るためにも、日常の保育活動において、手指消毒などの基本的な感染対策を徹底することや、密にならないよう保育活動を工夫することにより、感染拡大の防止と保育の継続に努めてまいります。  地球温暖化対策についてですが、昨年3月に策定した第2期たかつき地球温暖化対策アクションプランにおいては、社会状況や本市を取り巻く環境、これまでの市民、事業者、行政の取組状況等を踏まえ、温室効果ガス排出量を2030年度までに2013年度比で30%削減することを目標として設定しました。その後、国においては、昨年5月に、地球温暖化対策の推進に関する法律が改正され、2050年までの脱炭素社会の実現という基本理念が同法に位置づけられました。  また、10月には地球温暖化対策計画が改訂され、日本における2030年に向けた温室効果ガス排出量の削減目標を、従前の26%減から46%減に見直しをされました。  本市としては、引き続き適切な目標を設定してまいります。  再生可能エネルギーに関するお尋ねですが、本市においては平成19年度から、太陽光発電システムを設置する市民への補助制度を導入しているほか、市有施設の整備に合わせて、太陽光発電システムの設置を進めるなど、再生可能エネルギーの普及促進に向けて取り組んでいます。また、国においては、再生可能エネルギーを活用した電力を、一定期間、固定価格で買い取る制度を導入しており、将来にわたり、事業採算性を予測しやすい状況を整備することで、再生可能エネルギーの普及を促進することとされました。これを受けて、市民団体やNPO等が主体となって、寄附や出資を募り、太陽光発電システムを設ける市民共同発電所の設立が全国的にも見られるようになったところです。  本市としては、多様な主体が発電事業に取り組む場合において、事業の採算性が見込める環境は整っていることから、国や大阪府の動向も注視しながら研究してまいります。  食品ロス削減の取組についてですが、近年、大量消費・大量廃棄型の社会からの脱却が求められており、様々な主体が連携して食品ロス削減を図る必要があります。本市では、ごみの発生抑制や資源化により、食品廃棄物の減量化を推進している飲食店等をエコショップとして認定するとともに、その取組をホームページ等で広く紹介することで、市、事業者、消費者が連携する循環型社会の形成に取り組んでいます。  また、全国の自治体が参加する全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会に参加し、食品ロス削減等に関する効果的な取組について情報交換を行っており、得られた情報を出前講座や環境教育などの啓発に活用しています。  今後は、引き続きこれらの取組を進めるとともに、新たな取組として、食品廃棄物を多量に排出する事業者に対し、立入検査の際に効果的な削減手法や先進的な事例について、助言や啓発を行うなど、さらなる食品ロスの削減を推進してまいります。  災害に強いまちづくりに関するお尋ねですが、昨年6月に改訂した水害・土砂災害ハザードマップと合わせ、避難情報の発令対象地区や開設する指定緊急避難場所を見直しており、淀川の氾濫を想定した発令対象世帯数は約8万世帯で、避難場所は64か所となっています。  避難情報が発令された場合、避難場所や安全な知人宅への早めの立ち退き避難を基本とし、自宅等の上層階が浸水しない場合などは、屋内安全確保の行動を取っていただくよう、ホームページや広報誌、出前講座等を通じて周知を行っています。  さらに令和4年度は、大規模水害に備え、避難対象者の絞り込み等を実施するとともに、防災関係機関が参画する多機関連携タイムラインを策定するなど、広域避難体制を整備してまいります。  また、芥川のJR橋梁付近の対策については、昨年1月に改定された大阪府都市整備中期計画において、令和12年度までに着手と位置づけられたところです。なお、現在大阪府において、暫定対策として、河川のり面のブロック張りなど、堤防強化に取り組んでおられます。  今後についても、引き続きハードとソフトを組み合わせ、災害に強いまちづくりを進めてまいります。  市営バス路線に関するお尋ねですが、市営バスをはじめとする地域公共交通は、市民の生活や経済活動を支える重要なインフラであると考えています。そのため本市では、市内の公共交通体系の維持を図ることを目的に、令和2年度と3年度の2回、交通部を含む地域公共交通事業者に対し、特別応援金の給付を行っています。また、地域公共交通の在り方を示す計画については、利用者が減少するなど、地域公共交通を取り巻く環境が大きく変化する中、将来にわたり市民の移動手段を確保することを目的に、計画の策定に向け取り組むものです。  次に、市営バスの柱本・三島江線についてですが、本路線は運行距離が長いため、所要時間を要するなど、市営バス全24路線の中で最も収支が悪い路線となっています。令和2年度に策定した市営バス経営戦略で、ゾーンバスの導入など、路線全体の効率化を検討するとしており、利用者の利便性と市営バスの経営環境改善が両立するよう、様々な手法について検討してまいります。  商業の活性化についてですが、本市ではこれまで、新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた事業者等の事業継続を支援するため、令和2年度には事業者応援給付金、中小企業等支援給付金など本市独自の給付のほか、大阪府と共同で休業要請支援金事業を実施するとともに、令和3年度には事業者応援緊急給付金を支給するなど、多くの事業者を支援することができたものと考えています。  さらに、地域経済の活性化を図るため、プレミアム率150%の商品券地元のお店応援券を2度発行したほか、商業団体等への給付金や、商業団体が取り組む感染防止対策に係る補助制度の拡充を行うなど、様々な支援に取り組んできました。  令和4年度は地域経済のさらなる活性化と市民生活の支援に向けて、地元のお店応援券を年度内に2度発行するなど、力強く経済施策を展開してまいります。  今後も感染の拡大状況や国・大阪府の動向を注視しながら、引き続き必要な支援策、活性化策を検討してまいります。  本市の魅力を生かしたまちづくりについてですが、本市は北摂山系の美しい山並みや淀川、芥川などの豊かな水と緑に恵まれ、先人の英知と努力によって豊かな歴史と文化を育んできました。また、大阪・京都の中間、関西の中央に位置し、安満遺跡をはじめ全国に誇れる歴史遺産を有しており、古くから交通の要衝、歴史上重要な地となっていました。  近年では、高槻インターチェンジの開設等により、名神高速道路と新名神高速道路への乗り入れが可能となったほか、JR高槻駅においては、特急列車が停車するなど、交通利便性も飛躍的に高まりました。  私たちは、先人の方々が守ってこられた本市の良好な自然環境、歴史文化をはじめ、長年にわたり築き上げられた充実した都市基盤等を次の世代へ引き継いでいく使命を担っているものと考えています。今後につきましても、本市の交通利便性の高さや良好な住環境、歴史・文化等の豊富な地域資源などを強みとして、市民福祉の向上につながる施策をさらに充実させることで、あらゆる世代の市民が住みやすさを実感できる都市を目指し、取り組んでまいります。  女性や子どもに対する暴力の防止についてですが、女性や子どもの人権を尊重し、個人の尊厳を傷つける暴力を許さないという意識を社会全体で共有することは、極めて重要であると考えています。このため、本市では、女性に対する暴力をなくす運動期間において、女性への暴力の根絶を訴えるパープルリボンを用いた啓発等によるDV防止キャンペーンを実施しています。また、若年層を対象としたデートDVについては、小中学校の教員を対象とした研修を行っているほか、中学生にリーフレットを配布し、啓発活動に取り組んでいます。  さらに、子どもの身体に暴行を加える身体的虐待や、子どもの前で配偶者等に対して暴力を振るう面前DVなどの心理的虐待が増加しているため、関係機関との連携を強化し、児童虐待の防止とDV被害者への適切な支援に取り組んでいるところです。  今後も引き続き、女性や子どもに対するあらゆる暴力の根絶に向けて、人権尊重のための意識啓発や教育など、様々な施策に取り組んでまいります。  ジェンダー平等に関するお尋ねですが、本市では男女共同参画社会の形成を図るため、政策や方針決定過程への女性の参画拡大に取り組んでいます。  本市の女性管理職については、本年3月1日現在146人で、その割合は19.3%となっており、割合を高めるために、女性活躍推進法による特定事業主行動計画に基づき、仕事とプライベートを両立しやすい職場環境づくりや、長時間労働の削減を進めています。また、女性活躍推進に資する管理職の意識改革や、女性職員の昇任意欲の醸成にも取り組んでいます。  次に、審議会等における女性委員については、昨年7月1日現在218人で、その割合は29.5%となっており、審議会等への女性委員登用促進要綱に基づき、40%以上60%以下とすることを目標として取り組んでいます。さらに、男女共同参画センターにおける講座を中心に、女性のエンパワーメントに関する学習の機会を提供し、人材の育成を図るなど、女性が活躍する機会を拡大し、ジェンダー平等の推進に取り組んでまいります。  性犯罪の防止についてですが、性犯罪や性暴力は被害者の尊厳を踏みにじり、被害者の心身に長期間影響を及ぼす重大な人権侵害行為です。国においては、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を取りまとめ、令和2年度から令和4年度までの3年間を、性犯罪・性暴力対策の集中強化期間としています。これを受け、本市では、広報誌に特集を掲載しているほか、ホームページ等で性暴力被害の予防について啓発を行うなど、性暴力の抑止に向けた情報を発信しています。  また、若年層の性暴力被害予防月間においては、JR高槻駅前に啓発ポスターを掲示するなど、痴漢を含めた性犯罪・性暴力被害の防止に向けて取り組んでいます。  さらに、小中学校では、子どもの安全を守る取組の一環として、子どもたちに犯罪被害防止の指導や注意喚起をしているところです。今後も引き続き、痴漢に限らず様々な性犯罪や性暴力をなくすための取組を行ってまいります。  市民サービスの拡充についてですが、本市はこれまでも、20年後、30年後の次世代を見据え、将来にわたり健全財政を維持すべく、積立金残高においては、良好な水準を維持してきたことから、今般の新型コロナウイルスの感染拡大による非常時においても、柔軟かつ的確に必要なサービスを提供することができています。  また、将来世代に負担を先送りすることがないよう、市債残高においても良好な水準を堅持していますが、限られた財源の中で、経常的な市民サービスの拡充を基金や地方債に依存することは、行財政運営の持続可能性に懸念が残るものと考えます。  令和4年度においては、市民や市内事業者への支援を通じて、まちのにぎわいの活力を生み出していけるよう、対前年度当初予算比9.2%増となる過去最大規模の当初予算を編成し、その財源の一つとして、積立基金の引き当てを大幅に増額したものです。  今後も、コロナ禍における積極的な施策とともに、将来にわたり、あらゆる世代に対し、魅力ある施策が実現できるよう、世代間のバランスにも配慮しながら、健全な行財政運営を維持してまいります。  以上で、日本共産党高槻市会議員団代表 中村玲子議員の代表質問に対する答弁を終わらせていただきます。  今後とも、行政運営に全力で取り組んでまいりますので、引き続き市政の推進に一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。